博多祇園山笠には、2つの種類の山笠があります。 ひとつは、締め込みに法被姿の男たちが勇壮に舁き廻る(担いで走りまわること)「舁山(かきやま)」、そしてもう一つは、高さ10m前後もある華やかな「飾り山」です。
舁山は、それぞれの流(町の集合組織)ごとに建てます。博多には七つの流があり、舁山は七本(台)です。いずれも動き始めるのは7月10日から。舁き廻る場所やコースは流や行事によって異なりますが、締め込み姿の博多っ子が、重さ約1トンの舁山を担って駆け抜ける様子は迫力いっぱいです。
平成13年 大黒流
舁山の数は、昭和42年からこの七流で落ち着いています。山の順番は毎年ひとつづつ繰り上がり、一番山笠は翌年七番山笠になります。
山小屋を建設する場所は毎年決まった場所であったり、当番を務める町の中であったりと流によってまちまちです。大黒流は後者で、自分の町に山笠を建設することが当番町の誇りでもあります。
飾り山は7月1日から15日午前零時まで福岡・博多の街を彩る「静」の山笠です。勇壮な舁山に対して華やかな飾り山は、博多祇園山笠に艶やかな魅力を加えています。 飾り山の多くは古くからの商都、博多部を中心に市内10数箇所に立ち並び、ほとんどを徒歩で見物することができます。特に、福岡で最も古い商店街 「博多川端商店街」 とその界隈では、たくさんの飾り山を見ることができ、期間中は多くの観光客で賑わいます。(櫛田神社境内に奉納される飾り山は一年中見ることができます)
その高さは10m前後あり、博多人形師が腕をふるったいきいきとした表情の人形が飾り付けられます。 櫛田神社に向いた側を「表」とよび、武者ものがよく題材となります。一方裏側は「見送り」とよばれ、人気アニメキャラクターが登場することも少なくありません。もちろん舁山同様、昔ながらの神事を経てつくられ、山笠の構造も舁山と同じです。 かつては、大黒流で飾り山を建てていた時代もありますが、戦後は昭和29年、昭和34年、昭和45年に建てられただけです。しかし、大黒流を構成する町のうち数町は独自で飾り山を建てていました。「寿通」、「川端通(下川端通)」、「川端中央街」 です。 現在は 「川端中央街」 と 「博多リバレイン」 という二つの飾り山が大黒流内に建ちます。